藤田社長+栗山専務インタビュー - 「チャレンジ50」達成に向けて必要なこと。
藤田社長+栗山専務インタビュー - 「チャレンジ50」達成に向けて必要なこと。

始まりは、賃料5万円の
間借りのオフィス。
当時の思いとは?

長年苦楽を共にし、何事もあうんの呼吸でやりのける、藤田社長と栗山専務ですが、実はそれぞれ、自身を「一匹狼」というほど、もともとは一人で行動するようなタイプなのだそう。そんなふたりが仕事のパートナーとして手を組むことになったエピソードは、ケイコーポレーションの企業としての本質を知り、歴史を紐解くうえで欠かせません。まずは、その話から伺うことにしましょう。

藤田:ケイコーポレーションは、私が神戸で立ち上げた会社です。大学院修了後に就職したリサイクル関係の会社から独立し、2008(平成12)年に創業しました。最初は、その会社のリサイクル部門を請け負う形でうまく仕事が回っていたのですが、その会社が事業から撤退することになり……。仕方ないので神戸の工場を閉め、当時の社員を全員解雇して、鞄ひとつ携えて横浜に出てきたんです。

一方の栗山専務は、もともと、大手のリユース関係の要職に就いていました。業界ではパイオニア的な立場だったようです。
しかし、藤田社長が横浜でのリスタートを決めたまさに同時期に、栗山専務も前職を退職し、独りで活動し始めていました。
かたやリユースかたやリサイクルながら、お互い現場で責任者同士として顔見知りとなっていたふたりは、仕事の幅を広げるため「どうせなら一緒にやろう!」と意気投合。
そうして、2015年8月、藤田社長と栗山専務が手を結ぶ形で、ケイコーポレーションがリスタート。栗山専務の知人のオフィスの一角を間借りした、賃料5万円の小さな机1個分のスペースが、いまのケイコーポレーションの始まりだったのです。

藤田浩志|1972年生まれ。山口大学 工学部 工業化学科 卒業。山口大学大学院 工学研究科 博士前期課程 機能材料工学専攻 修了。2008年、株式会社ケイコーポレーション設立。代表取締役就任。

大きな目標を掲げ、
着実に顧客を獲得。
大切なのは信用と繋がり

ふたりが決めた、新生ケイコーポレーションの最初の目標は、「2020年までに売上50億円」。この数字の根拠は、当時の売上が5億円あったから、だそうです。
6年後に売上を10倍にすべく「チャレンジ50」を掲げ、実現に向けて何をすべきかを決めて実行に移すことに……。しかし、最初の1年間は仕事と呼べるほどの仕事はなく、“酒ばかり飲む”日々が続いたそうです。
普通は、ここで焦って目標金額を下げたり、軌道修正をかけたりしても不思議ではないのですが、ふたりは当時を振り返り、「まったく焦らなかった」と、声を揃えます。

藤田:仕事はなかったけれど、かといって借金もありませんでしたからね。
栗山:ふたりとも、もともと一匹狼だからね。自分たちが食べる稼ぎくらいなら何とかなると思っていた。一匹狼が二匹だから二匹狼! 少し強そうでしょ(笑)

元々の性格なのか、踏んできた場数の違いか、並大抵のことで動揺するふたりではありません。目標に向かって少しずつ、気長に自分たちのスタイルで向かったのが功を奏してか、次第に会社は軌道に乗り始めます。
この頃の社員は、4~5人。「優秀な人材を集めたい」と、いずれも栗山専務が信頼を置く、選りすぐりのスタッフが自ら集まっていました。

栗山:私はどちらかというと、適材適所に人を集めたりディレクションしたりする仕事が得意。藤田社長は優しすぎるから、勘違いする人も出てきてしまう。だから、当時もいまも、人事は私の担当です。

役割分担が明確になったおかげで、藤田社長は持ち前の営業力をますます発揮できるように。大きな企業に挑んでは、次々と仕事を獲得し、大口顧客も増えていきました。

栗山:この人(藤田社長)は、スーパー営業マンですから! 大手企業の仕事をバンバンとってくる、誰もができることではありません。
藤田:この業界で私たちの規模の会社は、ほとんどが下請けの下請け……といった仕事が大半です。ただ、色々な業者が介在しないほうが、お客さんにとっても受注側にとっても、絶対に良い。元請け仕事をとるのは、時間も労力もかかりますが、一度信頼関係を築ければ、メリットは大きいですよね。

藤田社長の営業力、栗山専務の審美眼、現場で働く優秀なスタッフたち、さらに時代の流れも手伝って、仕事はますます順調に進みます。そうなると気になるのは、ライバル企業の存在。リサイクルやリユースを扱う会社は、増えているのでしょうか?

栗山:確かに増えてきたように思います。特にリユースに関しては、古いPC類は価値があることが一般的に知られて来ましたので業界の規模も広がり、同時に他社参入組も増えたのだと思います。その中で仕事を増やすには一言で言うと真面目にやるしかありません。ウルトラCはありません。真面目にやるとはどういうことかと言うと、たとえ目利きに失敗して損が出たとしても一度決めた約束を守ることと、お客様のあらゆる要望にどこまでも真摯に対応することです。ちなみに、遊びの約束も必ず守ります(笑)

栗山忠之|1966年生まれ。成蹊大学 経済学部 経済学科 卒業。2015年、株式会社ケイコーポレーション専務取締役就任。

2025年に売上50億円
目標達成に向けて
必要なこととは?

そうしてリスタートから丸6年、当初の「売上50億円」にこそ届かないものの、2020年には、売上30億円弱を達成する見込みが立ったといいます。そこで、新たに2025年に目標を定め、「売上50億円」達成に向けてさらなる飛躍を誓います。それでは、目標達成のため、これから必要なことは何でしょうか?

栗山:一番は「人」ですね。はじめは4~5人から始まり、いまでは10人でここまで来ました。ですが、目標達成のためには、人の数が必要です、もちろん誰でも良いわけではありません。私はサラリーマン時代、色々な人と仕事をしてきましたが、成功する人に共通しているのは「嘘をつかない」「忠誠心がある」、まず、この2つは外せません。会社のことを自身のことと同じように考えられるような、バランスがとれた人材が必要ですね。それと目的を持ちそれを仕事の目標に変えられる人ですかね。

藤田:極端な話、“個人事業主の集まり”というイメージが理想ですね。ひとりひとりに、自分の収入と自分の責任を理解して働いてもらいたいと思います。

栗山:もちろん、「忠誠心」には、しっかりと対価を払います。また、すでにテストケースで始めている人もいますが、自分の仕事に責任を持ってもらうという意味では、社員の給料はいずれ自己申告制にしようとも考えています。

藤田:あとは、失敗を恐れずに、どんどんチャレンジする人が良いですね。失敗しないと成長しませんから。もちろん、私たちの現場は、ひとつのミスが大事故につながるケースも多いので、そういう命の危険を伴う失敗はNGですが……。

栗山: 最近の若い人は、時代なのでしょうが失敗経験が少ないよね。右肩上がりの企業にいる人にありがちなのは、自分が完璧なスーパーマンだと思い込んでしまうこと。だから、失敗したときに対処の仕方がわからず、取り返しがつかないことになる。その点、私も社長も、たくさんの失敗を繰り返してきているよね。中には思い出すとゾッとすることも……。

藤田:そうそう、小さい失敗はたくさん繰り返している(笑)。でも、だからこそ、自分の欠点も相手の欠点もわかるし、欠落している部分をそれぞれが補い合える関係になっていると思うんです。一緒に働く社員にもそういう気持ちを持ってほしいですね。

目指すは
プロフェッショナル集団。
専門の資格取得にも注力

栗山:現場の力は大事ですね。私たちの仕事は、ひとつひとつの現場がユニークで、内容も管理の仕方も、その都度違う。そういう中で、お客様の要望をしっかり見抜いて、的確に対応する力が求められます。藤田社長は、いまでも現場に出ていますが、知識も経験もずば抜けていて、瞬時に的確な対応ができる。私からするとこんなに安心できる現場は他にないですよ。

藤田:この業界は、命の危険を伴う現場も多いので、作業をする人はもちろん、監督する立場の私たちも、しっかりと知識を身に着けて安全を徹底しないとなりません。そこで、最近は、「建設業」や「ISO認証」を取得し、そして会社としてだけでなく、個々の社員が現場の安全管理や作業の知識を深めるため、「フォークリフト、クレーンを始めとする重機の免許」や「職長・安全衛生責任者教育、石綿作業主任者などの現場管理資格」の取得を進めています。

栗山:リユース側でいうと、今後は、資産評価がファイナンスとして重要になってくると思っていて、私自身、日本資産評価士協会の「ASA国際資産評価士資格」を持っています。これは、グローバルに認知された、資産評価の専門家の証ですが、この資格も社員には取得してほしいと思っています。

藤田:あと……やっぱり、若い力も欲しいね。会社の平均年齢を下げたい(笑)。

栗山:いま、平均年齢40……いや、もっと上か(笑)? 確かに、フレッシュな力が欲しいね、若い行動力のある前向きな女性も来てほしい。それから、私がもう一つ考えているのは、リサイクル業界にITを取り入れて、効率化を図りたいということかな。リサイクル業界は、ITリテラシーが低すぎる!

藤田:いまだにファックスでやり取りする世界ですからね(笑)。

もちろん、「2025年に売上50億円」という目標達成に向けて突き進むうえで、懸念がないわけではありません。例えば、景気後退による工事案件の減少、バーゼル法などの輸出規制、マテリアル相場の予想外の動きなど。
しかし、そうした逆境にも、ふたりには、闘い抜くだけの経験も覚悟も備わっています。そう、この会社の一番の強みは、藤田社長と栗山専務の、揺るぎないパーソナリティなのです。

最後に、それぞれに相手の尊敬しているところを教えてもらいました。

藤田:彼(栗山専務)は、私が持っていないものをたくさん持っていて、厳しさと優しさの使い分けも上手だし、人を見る目に長けている。そして、やっぱり、周りに愛される“人たらし”だよね。本当に、彼とは“ニコイチ”だと思っています。

栗山:彼(藤田社長)の凄いところは、決めたことは、覚悟をもって絶対にやりきるところ。一方で、しっかりダメなものはダメと判断する力もあって、グレーのままやり続けることはしない。白黒はっきりしている潔さもある。あとは、無駄にやさしいところかな(笑)。

今まで喧嘩したことが一度もないというふたり(写真右=藤田社長、写真左=栗山専務)。インタビュー中、終始和やかなムードで、二人の信頼関係の強さが感じられました。